最近は、御朱印ブームなどで
寺社仏閣に行かれる方が増えました。
かくいう筆者の姉も御朱印を始めたのですが
ことあるごとに
え?これお寺?神社どっち?
と聞いてきます。
ということで今回は、ぱっと見ただけで
誰でもお寺と神社を区別できるようそれぞれの違いを建築的観点から紹介したいと思います。
目次
1.神社とお寺の基本的な違い
建築的な違いの前に、
そもそもの違いを説明したいと思います。
・お寺とは
宗教的には仏教になります。
中国から伝播した宗教になります。
(大元はインドですが…)
信仰の対象は、仏(ほとけ)です。
〜天、〜観音、〜如来などの名称があります。
参拝の仕方は合掌
そして日本の仏教は基本的に
偶像崇拝になります。
偶像崇拝とは、信仰の像を作って崇めることです。
実際に大抵のお寺には仏像が置いてありますよね。
・神社とは
宗教的には神道になります。
これは日本独自の宗教で、
信仰の対象は、神(かみ)になります。
〜神、〜大神などの名称があります。
参拝の仕方は基本的に
2礼2拍手1礼
そしてこの神道ですが、
基本的に、偶像崇拝を行いません。
実際、神社に行って神の像を見たという方はいらっしゃらないかと思います。
ただ、神社には他にも
などがあり、その場合は
像があったりなかったりします。
神宮も神社ですが、〜宮の場合は神の場合もありますが、天皇を祀っている時もあります。
ちなみに、稲荷はグレーゾーンで
お寺の場合もありますし、神社の場合もあります。
2.神社とお寺の建築的な違い
ここからは、ぱっと見ただけで分かるよう、
建築的な違いを紹介したいと思います。
・鳥居の有無
不浄なものが入らないよう結界の役割をしている
と言われている鳥居ですが、
これは、神社には必ずある一方、
お寺には鳥居はありません
つまり、
鳥居が存在する時点でほぼ神社が確定します。
・建物の配置の違い
神社は基本的に、
鳥居→手水舎→拝殿→本殿
の順に並んでいます。
ここで特筆すべき箇所は、
参拝者がお参りする場所を、
拝殿という形で本体である本殿と隔ているところです。
例としては、伊勢神宮があります。
皆さんがお参りしている建物から、
遠く向こうに本殿が存在しています。
もちろん、同一建物の場合もありますが、
多くの場合は、これに当てはまります。
一方で、お寺には伽藍(がらん)と呼ばれる
特徴的な配置があります。
その配置というのは多種多様ですが、
代表的なものとしては法隆寺があり、
南大門→中門→金堂+塔→講堂
の順に並んでいます。
また、神社とは違い参拝場所は仏像の目の前になります。
つまり、参拝する場所とその礼拝する対象が、
同一の建物内で完結します。
皆さんも1度は行かれたことがある
・建物の屋根葺の違い
実は、屋根に使われてる建材でも
お寺と神社違いが分かります。
基本的に神社は、瓦を使いません。
社務所等の付随の建物には使われていますが、
意外にも本殿に関しては使われていないんですね。
その代わり、
銅板葺(銅でできた板を重ねた屋根)
檜皮葺(ヒノキの皮を剥いで何重にもした屋根)
茅葺(主にイネ科の植物を詰め込んだ屋根)
の屋根になっています。
一方で、お寺には
瓦が使われていることがほとんどです。
この違いは
日本古来の宗教か、中国から伝播した宗教か
が関係しています。
瓦という建材は中国から伝わってきた技術であり、
日本由来ではないんですね。
そこから、日本古来からある神社には合わない
という考え方が生まれました。
神社かお寺か迷った場合は、
みんなが拝んでいる場所から裏に回って、
本殿の屋根を見てみるのも1つの判断基準になると思います。
ただし、
著名なお寺だと檜皮葺や銅板葺はあります。
3.まとめ
まとめとして基本的な判断フローを紹介します。
ただ、今まで自分が見てきた寺社仏閣には
鳥居があるのにお寺だったり、
仏像があるのに神社だったり、
かなり例外があることだけご了承頂いて、
あくまでも参考程度でお願いします。
ということで、
正直なところ…
完璧に分けられるものはない!!!
というのも、神仏習合という言葉を
聞いたことがあると思います。
そう、まさに
神社とお寺はぐっちゃぐっちゃになってます(笑)
お寺の境内の中に神社ができたり、
逆に、神社の境内の中に神宮寺と呼ばれるお寺が出来たりともうめちゃくちゃです。
稲荷というグレーゾーンな存在
さらに、本地垂迹(仏が皆を救うために日本に神として現れたという考え方)
まであります。
もう何でもありです。
そりゃ分からないわ…
ありがとうございました。